最近では、クリスマスの12日間というのは、室内に緑を飾るだけでなく、
玄関の扉にリースをかけます。とてもクリスマスらしい雰囲気のあるリースが手頃に見かけるようになりました。毎年、使い回しができるので、一度お気に入りのリースを購入しておけば、毎年クリスマス気分を沢山味わえます。そもそも戸口のリースは以前北アメリカで良く見かけられたものですが、イギリスでも近年あちらこちらで見られるようになったのは、アメリカの映画の影響が大きいのです。
冬にリースをかける習慣は。古代ローマまで遡ることができます。古代ローマでは、新年の祝賀は12月31日から1月4日まで続いたのですが、この時、贈り物を交換するのが習わしだったのです。さまざまな品物が贈られたのですが、もともとは常緑樹の枝を贈って祝いました。この意味は、健康の女神ストレニアにちなんで「ストレニア」と呼ばれています。現代の人たちは、クリスマスに親しい友人と酒をのみかわすとき、「健康のために」と乾杯をしますが、ローマ人にとっては、1年を通じてみずみずしい緑の枝を贈る行為に、この「健康のため」にという思いが込められていました。贈り物に付加価値をつけるために、自然と枝を折り曲げて、円形状するのも流行りました。
こうした思いを持って、ローマ人は、もらったリースを入口に飾りました。
現在では、自分でリースを購入しますが、厳密には古代ローマの伝統を引き継ぐのであれば、外にかけていいリースは、人から贈ってもらったものになります。
リースを飾る風習は、古代ローマ時代から現代にまで引き継がれているので、驚くものです。そのような歴史を感じることができれば、クリスマスもより感慨深くなります。